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うつつ世とまどろみの境を泳ぐ、とある妖の手記・・・らしいもの
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(日記帳の遊び紙に、『異界』と呼ばれる世界の者にしか見えない文字が、浮かび上がる)
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このブログ内にある『小噺(SS)』の索引です。

基本的には『伽藺』に関わる話ばかりですが、話によっては本人が全く出てこなかったり、
全く別の人物が主人公であったりします。また、舞台が異大陸のものもあります。

作者は基本的に伽藺PLですが、他の方たちとのリレー文をまとめたものや、
コラボレーションしているものも多くあります。


(上品な便箋にしたためられた流麗な筆致)

これを読んでいるということは、貴方たちは無事に成人を向かえることが出来た、ということかしら。
それともこのお手紙を手渡した方がお約束を破って、その前に貴方達に見せてしまったのかしら?

どちらにしても今はもう私たち、私と・・・貴方の父であるレオンは、もうこの世のどこを探しても、存在しないことかと思います。
ごめんなさいね。貴方たちには多分、新天地を探すためのたびに出たと、伝えられていたのでしょうね。
私たちも貴方たちのお世話を直接してくださる方、・・・サリア様とサーシャ様にはそうお伝えしました。

けれどごめんなさい。本当は私たちは私たちの心が赴くままに、消え行く世界と運命を共にすることに決めたのです。

照明からして薄暗いアッシュの自室の中、机のランプだけが眩しいまでに照っている。
そして頼んでいた品物は、そこにリストと共に、積み上げられていた。
普段から施錠をしている筈のここにどうやって入り込んだのかは、
侵入のエキスパートでもあるミハイルに問うても仕方のない話だ。

アッシュは黙ってリストを手に取り瓶を一つ一つ見定める。
納入の仕方こそ、まだ文句を言う余地はあったが、彼の用意する品物はいつも質がいい。
どのようなルートで手に入れているのかは知らないが。
支払い金額は約束していたものより多少色を付けており、
ミハイルは封筒を開いて額面を確認すると上機嫌に口笛を吹いた。

かくして数時間、検査結果が出た時には0時が近付こうとしていた。

『歩けない』理由は検査をするまでも無かった。
両足首のくるぶし部分に大きな刀傷があり、腱が完全に切られているのだ。

早期なら手の施しようがあったかも知れないが、かなりの古傷らしくもう手術で繋いでも意味がないかも知れない。
そもそも歩くための筋肉がもう足腰には全く無く、腱だけ繋いだとしても一月程度で自立に持ち込むことは、出来ないと思われる。
偶然の事故で付くような傷ではないから、何らかの処刑的な意味合いで付けられたのだろう。
彼女の狂気や錯乱の遠因のひとつなのだとすれば、示蓮の同族たるムロマチ人にやられたのだろうか。

「償い・・・か」

若かりし日の示蓮は迂闊だったのだろう。
妻を愛する気持ちと、故郷を慕う気持ちが強過ぎて、その二つを出会わせれば何が起こるか、
それを冷静に計算出来なかったのだと思う。
自分なら、と考える。

アッシュなら絶対に顔を合わせることなどさせない。
自分の生まれた家、そこに住まう業の深い一族。欲深く狡猾な祖父や母と。
自分が見つけた最愛の妻、そして共に作り上げた小さな家庭、元気に育っている血を分けた子供たちを。
一同に会させることなどは決してしない。

♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥
自己紹介
HN:
伽藺(カリン)・クイン
性別:
女性
職業:
アッシュ医師の妻/ナハリ軍務補佐官
趣味:
家事、お茶、お喋り
自己紹介:
医師アッシュ・クインの妻である柳の樹妖。
外見年齢は20歳ほど、実年齢は20代後半。
夫との間に男女の双子あり。

性格はおっとり。
行動は良く言えば優雅、悪く言えばどんくさい。
少し急ぐとすぐ転ぶ。
ネバーランド・ナハリ国の軍務省にも補佐官として所属している。

ユエルティートという名の少女を、小鳥と思い込んでペットとして飼っていたことがあり、
人の姿を現した今でも、娘代わりとして可愛がっている。
義兄にはウィルフェア氏とティーラ氏。氏の家族や同居人諸氏とも懇意で、何かとお世話になっている。

お茶が大好きでお茶菓子も好き。
甘党で大食漢。カロリーコントロールを言い渡されるレベル。
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