うつつ世とまどろみの境を泳ぐ、とある妖の手記・・・らしいもの
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
異大陸からの旅行者、ルリイロのトリと
テントの中にランプが一個
テントの中にランプが一個
◆7/1 エルフロール/森の都ジャコロ◆
伴侶との通信機能も備えている、羽根飾りを耳から離して、ソルは大きく息を吐いた。
少々のアクシデントはあったものの、無事に・・・NLに行き着いたらしい。
向こうしばらくは遠距離夫夫。
『お目付け役』は、送ってある(というか乗り気で出て行かれた)から、心配することも
そう無いだろう。
(元々夜は弱かった…
ここ最近、ますます弱くなった気がする
夜を司る要素が一時的に分離したから…か
しばらくは、日の半分を眠って過ごすかも…)
口元に手を当てると、大きく欠伸をした。
腰を掛けているベッドに目をやる。
・・・大きめに作ったこの寝台は、伴侶が転がっていなければ、とても広々として見える。
◆7/2 プリエスタ/首都◆
次の『声』を基に『還った』のは緑の深い森の国。
・・・今は、他国の支配国になっているらしい。支配国もまた因縁浅からぬ国。
「『国』っていうか、今は『領』みたいだねぇ」
それでも。
深い緑と・・・懐かしい茶屋は健在で。
「随分、変わってしまったようだけど、納得はした?
ン・・・ならいいケド」
内からの声は、少し淋しそうだけれど、それでも美しい景色が、
壊されていないことに安堵している。
次はやっぱり、月の国に行くの? と・・・問い掛けると、先に向かう場所がある
とのこと。
「あ・・・そだよね。あのヒトに挨拶しなきゃだよね。久し振りだよねぇウィルさ。
ニコルやミシェルも随分、大きくなっただろうな。
・・・え? それだけじゃない? ・・・何だろ??」
『声』は答えない。ただ少し困ったように、曖昧に微笑う気配がするだけだった。
◆7/3 ツェンバー/ドルッシュ◆
翌日、早朝から立ち寄ったのは、月の国。
夜の長いこの国ではあるが、夏という季節のせいか、空は白みかけていた。
ここには何やかんやと、機会を作っては立ち寄っている。
それは『彼』とその一家がいるからである。
「やぁっほー!!」
朝の農作業から戻るのだろう背中に、大きな声
を掛けててを振る。
大地の色の翼を持つ青年・ウィルフェアは、青羽根の友人の来訪に目を丸くする。
「うわ、あれ、遊雅君!?」
数年振りの再開を喜ぶ様子と、長距離旅行の理由を誰何する声、
そして今日は一人なのかという疑問が、相俟って不思議な語調を作り上げる。
説明をするには少々複雑なので、遊雅は「今はナイショv」と誤魔化した。
言っている側から、ウィルフェアの背後の扉が開き、父の帰還を待っていたらしい
少年が、転がるように走り出て来る。
その腕の中から、遊雅の腕に飛び移る、白い仔狐・・・その尾は九本。
「・・・あ。えっと・・・、し・・・ろ・・・だっけ・・・。
あれ、・・・ひょっとしてお前が、オレをここに呼んだの?」
何故かはわからないがそんな気がした。
内側の『声』の気配の持ち主と、この狐が呼応した感覚があったのだ。
小さな妖狐はただ満足げに頷いていた。
◆
呼び合ったのは。
『カケラ』と『カケラ』
◆
「わー、遊陽ちゃんと太雅のパパだー! あっ、ど、どこいくのぉー(’□’;)」
毛並みを気に入っていた仔狐が、腕から消えたことにニコル少年は、
少なからずのショックを受けたらしい。
そこで遊雅は、にっこりと笑顔を見せる。
はいっと差し出した手に、むぎゅりと握られていたのは、怯えて震える・・・鳩。
「ごめんなぁ~。ちょっと狐、預かっていくな?
かわりにニコルにはこれやるよっ。
さっきそこで、(鳥化して休んでる時に)ちょっかい掛けて来たから 、
(元に戻って)捕まえたんだ。
ついでにコイツの縄張り貰ったから♪」
見慣れぬ小鳥だと思って威嚇したら、瞬時に捕まえられたこの辺りのボス(多分)鳩。
その言葉の意味を・・・、鳥人であるウィルフェアは、理解出来たかもしれない。
(くるっぽー;(巨大化するなんて詐欺だっ)} (・◇・。β)
伴侶との通信機能も備えている、羽根飾りを耳から離して、ソルは大きく息を吐いた。
少々のアクシデントはあったものの、無事に・・・NLに行き着いたらしい。
向こうしばらくは遠距離夫夫。
『お目付け役』は、送ってある(というか乗り気で出て行かれた)から、心配することも
そう無いだろう。
(元々夜は弱かった…
ここ最近、ますます弱くなった気がする
夜を司る要素が一時的に分離したから…か
しばらくは、日の半分を眠って過ごすかも…)
口元に手を当てると、大きく欠伸をした。
腰を掛けているベッドに目をやる。
・・・大きめに作ったこの寝台は、伴侶が転がっていなければ、とても広々として見える。
◆7/2 プリエスタ/首都◆
次の『声』を基に『還った』のは緑の深い森の国。
・・・今は、他国の支配国になっているらしい。支配国もまた因縁浅からぬ国。
「『国』っていうか、今は『領』みたいだねぇ」
それでも。
深い緑と・・・懐かしい茶屋は健在で。
「随分、変わってしまったようだけど、納得はした?
ン・・・ならいいケド」
内からの声は、少し淋しそうだけれど、それでも美しい景色が、
壊されていないことに安堵している。
次はやっぱり、月の国に行くの? と・・・問い掛けると、先に向かう場所がある
とのこと。
「あ・・・そだよね。あのヒトに挨拶しなきゃだよね。久し振りだよねぇウィルさ。
ニコルやミシェルも随分、大きくなっただろうな。
・・・え? それだけじゃない? ・・・何だろ??」
『声』は答えない。ただ少し困ったように、曖昧に微笑う気配がするだけだった。
◆7/3 ツェンバー/ドルッシュ◆
翌日、早朝から立ち寄ったのは、月の国。
夜の長いこの国ではあるが、夏という季節のせいか、空は白みかけていた。
ここには何やかんやと、機会を作っては立ち寄っている。
それは『彼』とその一家がいるからである。
「やぁっほー!!」
朝の農作業から戻るのだろう背中に、大きな声
を掛けててを振る。
大地の色の翼を持つ青年・ウィルフェアは、青羽根の友人の来訪に目を丸くする。
「うわ、あれ、遊雅君!?」
数年振りの再開を喜ぶ様子と、長距離旅行の理由を誰何する声、
そして今日は一人なのかという疑問が、相俟って不思議な語調を作り上げる。
説明をするには少々複雑なので、遊雅は「今はナイショv」と誤魔化した。
言っている側から、ウィルフェアの背後の扉が開き、父の帰還を待っていたらしい
少年が、転がるように走り出て来る。
その腕の中から、遊雅の腕に飛び移る、白い仔狐・・・その尾は九本。
「・・・あ。えっと・・・、し・・・ろ・・・だっけ・・・。
あれ、・・・ひょっとしてお前が、オレをここに呼んだの?」
何故かはわからないがそんな気がした。
内側の『声』の気配の持ち主と、この狐が呼応した感覚があったのだ。
小さな妖狐はただ満足げに頷いていた。
◆
呼び合ったのは。
『カケラ』と『カケラ』
◆
「わー、遊陽ちゃんと太雅のパパだー! あっ、ど、どこいくのぉー(’□’;)」
毛並みを気に入っていた仔狐が、腕から消えたことにニコル少年は、
少なからずのショックを受けたらしい。
そこで遊雅は、にっこりと笑顔を見せる。
はいっと差し出した手に、むぎゅりと握られていたのは、怯えて震える・・・鳩。
「ごめんなぁ~。ちょっと狐、預かっていくな?
かわりにニコルにはこれやるよっ。
さっきそこで、(鳥化して休んでる時に)ちょっかい掛けて来たから 、
(元に戻って)捕まえたんだ。
ついでにコイツの縄張り貰ったから♪」
見慣れぬ小鳥だと思って威嚇したら、瞬時に捕まえられたこの辺りのボス(多分)鳩。
その言葉の意味を・・・、鳥人であるウィルフェアは、理解出来たかもしれない。
(くるっぽー;(巨大化するなんて詐欺だっ)} (・◇・。β)
PR
この記事にコメントする
自己紹介
HN:
伽藺(カリン)・クイン
HP:
性別:
女性
職業:
アッシュ医師の妻/ナハリ軍務補佐官
趣味:
家事、お茶、お喋り
自己紹介:
医師アッシュ・クインの妻である柳の樹妖。
外見年齢は20歳ほど、実年齢は20代後半。
夫との間に男女の双子あり。
性格はおっとり。
行動は良く言えば優雅、悪く言えばどんくさい。
少し急ぐとすぐ転ぶ。
ネバーランド・ナハリ国の軍務省にも補佐官として所属している。
ユエルティートという名の少女を、小鳥と思い込んでペットとして飼っていたことがあり、
人の姿を現した今でも、娘代わりとして可愛がっている。
義兄にはウィルフェア氏とティーラ氏。氏の家族や同居人諸氏とも懇意で、何かとお世話になっている。
お茶が大好きでお茶菓子も好き。
甘党で大食漢。カロリーコントロールを言い渡されるレベル。
外見年齢は20歳ほど、実年齢は20代後半。
夫との間に男女の双子あり。
性格はおっとり。
行動は良く言えば優雅、悪く言えばどんくさい。
少し急ぐとすぐ転ぶ。
ネバーランド・ナハリ国の軍務省にも補佐官として所属している。
ユエルティートという名の少女を、小鳥と思い込んでペットとして飼っていたことがあり、
人の姿を現した今でも、娘代わりとして可愛がっている。
義兄にはウィルフェア氏とティーラ氏。氏の家族や同居人諸氏とも懇意で、何かとお世話になっている。
お茶が大好きでお茶菓子も好き。
甘党で大食漢。カロリーコントロールを言い渡されるレベル。
最新
(01/03)
(01/02)
(10/04)
(07/06)
(07/05)
分類
通ひ路
ブログ内検索