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うつつ世とまどろみの境を泳ぐ、とある妖の手記・・・らしいもの
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インターバル


◆7/6 ゴルデン/フォールス湖畔◆

実は今回、一人旅・・・という訳では、無かった
一日の用事が終わると、遊雅はいそいそと、とある家に向かう

「ただいま・・・だよぉv」

合鍵で扉を開けると、中で待っている人物の、胸に飛び込み
そして深く接吻ける・・・

一見すれば既婚者である遊雅が、旅行中で身軽であるのを利用して
アバンチュールを楽しんでいるように見える
しかし、この人物との関係は、ソルも承知であった

というよりこの人物、体格や面立ちが、ソルに似ていた
色彩や雰囲気は違うのだが・・・
彼とソル、そして遊雅は一体どのような、関係なのだろうか?

「・・・疲れただろう。茶と菓子を用意しよう」
「わぁい♪ 嬉しいな~♪♪」

腕に絡み付きながら、部屋に入っていく様子は、ソルに対して取っている
態度と、ほとんど変わらないように、見える・・・


「明日は七夕だね~
お願い事あったら、書いて吊るそう

オレはこの旅の無事と、ソルとかの幸福と・・・っていうか、
家族みんなの幸福と、それを言うなら友人連中も・・・

・・・ああっもう世界平和でいいや!!」

面倒になったのか、全部ひっくるめた願いを書こうとしている、遊雅の手から
その人物はこよりをひょいと取り上げた
手にはペンが握られている

「省略するのは、どうかと思うぞ
手伝うから、全て書き出すといい」

言うと丁寧な文字で、先ほど挙げられた願い事を、さらさらと書いてゆく
そして出来た願い札と飾りを、二人で笹に結び付けてゆく

「あ・・・そっか、七夕といえば・・・」

ウィルフェア氏の誕生日でも、あった事を思い出す
なかなか、ロマンチックな日に、生まれた人物だ

「世話になってるしな。明日、花でも持っていこうっと☆」

◆7/7 フェリアス/リカルド◆

早朝から、ウィルフェア氏の家に、花束を渡しに行って
そして昼前ごろ、白狐の待つ小さなテントに、遊雅は戻った

中に入る前に小さな鏡で首筋を軽く調べる
案の定、小さな赤い痣が、いくつか。昨晩に付けてしまったのだろう
まぁ・・・相手は仔狐だし、気にする必要はないかと、テントを開けて

・・・絶句する

「おかえりなさい、です・・・よ?」

鈴を振るようなハイトーンの頼りない声
さらさらと落ちる青い髪の下で、真っ白な頬と紅の瞳が覗く
見慣れた特徴ながら、見慣れない『モノ』を備えた少女

「? どうか・・・なさい、まし・・・て??」

洗濯物を畳んでいた手を止め、不思議そうに首を傾げる

「あす・・・か・・・?」
「はい♪」

遊雅に良く似た面立ち。当然だ、元はといえば、同じ人間である
白狐に預けるために、あえて分離させはしたが・・・
髪の間からはにょっきりと白い狐耳
背中の後ろにも、ゆらゆらと大きな尻尾が見えていて、その二点だけは
まだ白狐の名残を残している

「白様にお願いして、私が動き慣れた姿になって、いただきましたのです
せっかく貴方から分離したのですもの、色々としてみたいではありませんか」
「へぇ・・・、そう・・・; ・・・色々って?」
「え・・・あ・・・、・・・ですから・・・」

きょろきょろと困り顔で周囲を見回すと、先ほどまで手に取っていたものを
見付けて、ぱっと笑顔を取り戻す

「えっとですから・・・お洗濯ですとか!!」

満面の笑み

「いや別に洗濯とか掃除だったら、オレから分離せんでも出来るだろう」
「あ・・・う~・・・、そ、そうですけれどぉ・・・」

がっくりと肩が落ちる。うん、つまり何かをしてみたいとは、思うものの
何をしたいかは、思いつかないんだな
・・・それにしても

自分と、似た(というか同じ)顔の獣耳少女が、家で待ってる・・・とは・・・
遊雅は妙な、落ち着かなさを、感じるしか無かった

「・・・狐に戻れば?」
「ええっ!?Σ(□`川>」

心底、ショックを受けたというかのように、少女は洗濯物を取り落とした
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自己紹介
HN:
伽藺(カリン)・クイン
性別:
女性
職業:
アッシュ医師の妻/ナハリ軍務補佐官
趣味:
家事、お茶、お喋り
自己紹介:
医師アッシュ・クインの妻である柳の樹妖。
外見年齢は20歳ほど、実年齢は20代後半。
夫との間に男女の双子あり。

性格はおっとり。
行動は良く言えば優雅、悪く言えばどんくさい。
少し急ぐとすぐ転ぶ。
ネバーランド・ナハリ国の軍務省にも補佐官として所属している。

ユエルティートという名の少女を、小鳥と思い込んでペットとして飼っていたことがあり、
人の姿を現した今でも、娘代わりとして可愛がっている。
義兄にはウィルフェア氏とティーラ氏。氏の家族や同居人諸氏とも懇意で、何かとお世話になっている。

お茶が大好きでお茶菓子も好き。
甘党で大食漢。カロリーコントロールを言い渡されるレベル。
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