[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
《PL・注》
この話は、アッシュ・クイン氏との間で交わした伝言を編集し、SS風味にまとめたものです。
編集・公開に関しては氏に許可をいただき、且つご協力をいただいております。
◆
じゃり・・・じゃり・・と、落ちた枯葉を踏み締める音。
どこまでも続く、落葉のカーペット、白く冷たい空。
その風景に緑が埋もれていれば、誰だって不審を感じて足を止める。
見てみるとそれは人であった。
緑がかった黒髪の中に、時折覗く青々とした柳葉。
肌は白いが血色がなく黒ずんで見える。
長身な割には手足も胴も細く、健康な体でないことは明らかだった。
だが、深刻な病を患っているわけでも、なさそうだ。
つまり。完全なる栄養失調症、なのだろう。
強めの栄養剤でも投与しておけば、半日程度で飛び起きるだろう。
心肺がイカれなければ・・・の話だが
どう見てもその手の器官が、強そうな類型には見えない。
「・・・・・・」
見降ろす男は医師だった。
寒々しい空に、灰銀の髪とよれた白衣が、静かに溶け込む。
黒く淀んだ瞳が、倒れた男の肢体を舐めまわすように見定めながら、
且つつまらないものを見るような表情で、見下している。
一目で、臥し倒れ枯葉に埋もれた、青年の症状を見抜く。
その性格と立場に、致命的な問題さえなければ、多分かなりの凄腕だろう。
慈悲だとか献身だとか。そんな言葉には、興味を持たなそうな、その男。
どうして足を止めたのかと訊かれれば。
『退屈だったから』
・・・まあ、それに尽きる。
懐から覗く『紹介状』と書かれた封書。
筋張った手が伸び、懐から垣間見えていた手紙を、無造作に取り上げる。
ピク、と僅かに反応があったのを目の端で捉えるが、構わず書面を雑に開き目を通す。
「軍務ねえ・・」
其処に記された異国の文字を、頭の中で知っている文字に当て嵌め、
医師はその名前を推測した。
うつ伏せたその肢体を足で蹴り起こし、土と枯葉に汚れたその面構えを拝む。
滑らかな頬の細面からは、覇気のようなものは微塵も感じず。
真っ直ぐな睫毛と薄桃の唇は、いっそ女性的でもあった。
膝を折り、じいっと男の顔を見詰めながら、答えを期待しない問いかけを向ける。
「人を殺すのか・・・カラン」
男の温度の低い頬をペチ、と叩くと、初めて唇の端を上げた 。
外見年齢は20歳ほど、実年齢は20代後半。
夫との間に男女の双子あり。
性格はおっとり。
行動は良く言えば優雅、悪く言えばどんくさい。
少し急ぐとすぐ転ぶ。
ネバーランド・ナハリ国の軍務省にも補佐官として所属している。
ユエルティートという名の少女を、小鳥と思い込んでペットとして飼っていたことがあり、
人の姿を現した今でも、娘代わりとして可愛がっている。
義兄にはウィルフェア氏とティーラ氏。氏の家族や同居人諸氏とも懇意で、何かとお世話になっている。
お茶が大好きでお茶菓子も好き。
甘党で大食漢。カロリーコントロールを言い渡されるレベル。