ナハリ王宮前の広場に、ござを敷いて座る女性。
丸みを帯びた童顔には愛嬌があるが、どこか大人の女性の雰囲気も漂わせている。
彼女は『似顔絵屋さん』。
手に取る人の、心の中にある花に変わる、不思議なシナンビを一輪挿して。
きらきらとした大きな瞳は、真っ直ぐキャンバスを見つめている。

◆
目の前でシナンビを手に取った女性。
小さな花はたちまち、華やかな紅となり大きく咲いた。
彼女の似顔絵が仕上がるのを待って、レモネードと交換にシナンビに手を伸ばす。

淡紫の清楚な花。けれどもその根は毒。
無論、使いようによっては、薬にもなる。
大好きな・・・花。

◆
彼女の筆が、水を含む。
絵の具と水の絶妙な加減に。ひんやりとした花弁、ふっくらと暖かな頬。
彼女の筆致は温度を映す。花なら花が、人なら人が、そこで呼吸している。
やがて描き出された、見慣れた眠たそうな顔と、鮮やかな朝顔の浴衣。











モデルがいうのもおこがましいですが、触れたくなるような、
頬と唇じゃありません？（くす）
この浴衣を次に着るのは、梅雨も明けた７月だろうけれど。

・・・気に入って、下さる・・・でしょうか。
似合うって・・・言って下さるかな（、、*