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うつつ世とまどろみの境を泳ぐ、とある妖の手記・・・らしいもの
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案内されるがままに、高級住宅地を通っていると、大きな噴水のある市民公園に出た。
噴水の中には水着を着た老若男女が戯れ、ちょっとしたプール扱いになっているようだった。
もともとはカテリーンが発見した小さな水場から発展し、しっかりとした地下水脈があったから、
街にまでなった場所らしい。

「そう・・・。この街を造るための、水場を発見したのが母上、なのですか・・・」

『夢見師』という存在が、どのようなものなのか、伽藺にはあまりわかっていなかった。
占い師のようなものだろうか、と予想はしていたのだが・・・。
どうやら思っていたよりも、具体的な効果でもって、人々を導くようだ。

「たしかにこのような、季候風土の厳しい土地ならば、人に見えないものを視る力や、
未来を予測する力は重宝されるのでしょうね」


そんな特別な力を、信仰の対象とされ。
人々を救いながらも、自分のことだけは救えず、ただ倒れ伏している母。

「貴様に、よく似ていたな。化かされた気分だ・・・」
「えっ」

アッシュがしみじみと、噛み締めるように呟く。

「そんなに似ていました? 自分ではよく分かりません・・・。
ただ想像していたより随分と弱っていて、あぁ老いたんだなぁ・・・と
・・・20年という年月を感じました」

夫にもたれるように寄り添ったまま、伽藺は高い位置にあるその顔を見上げた。
20年後。自分たちはもう、そんな未来を迎えることは、ないけれど。
もしその時まで生きていたら、この人はどう歳を重ねたのだろう。
子供たちはどんな大人になったのだろう。

自分は・・・さらにあの母親と、そっくりになったのだろうか?

「私と、母と、・・・どちらが早いのでしょうね。
でも・・・会えて良かった。

・・・良かった、・・・のかな?
母上としてはどうだったんだろう、私は会いに来て・・・良かったのかな」

いろいろなことがあり過ぎて。いろいろな気持ちが湧き過ぎて。
混乱している自覚が、伽藺には確かにあった。

「どうして疑問形なのだ」

夫に問われて、驚いたように、瞬きをする。
見上げる先には心底、不思議そうな顔。
アッシュからすれば純粋に、伽藺のネガティブさが不可解であった。
あれだけ分かり易く、親の愛情を受けておきながら、何故まだ迷惑だったかなどと、
考え込むのか。

「忘れるなと言われておいて、もう忘れたのか?
貴様の訪問でどれだけ喜んでいたか、さすがの鈍い貴様でも分かっただろう。
生き別れていた親との再会を、もっと素直に喜んだらどうだ」

がしっと頭を抱え込まれ、少々乱暴に撫でられた。

「あたた、あた、そ、そうですね、って・・・。
フードがくしゃくしゃになります~!!」

元気付けようとしてくれる夫の様子が、伽藺の心を少し明るくさせた。
そう・・・反芻してみれば、母は確かに喜んでくれていた。
父も所在なさげにはしていたが、強い拒絶は示していなかった筈だ。
なら何故に自分はこれほど、気弱になっているのか。

「あっ・・・」

そうか、と。伽藺は気付いた。
気弱になっているのではない。
心配していた再会が、思いの他いい形で終わって、だから・・・。

だから少し拗ねてみたかったのだ。
そうすれば母が、そして父が改めて、抱き締めて撫でてくれるような。
子供の時からずっと持っていた、孤独感や無価値感に気付いて、
空白だった時間の分も甘やかしてくれるような。

・・・そんな、気がして。

「ふふふっ、そうですねぇ。
私もまだまだ子供ですよねぇ、歳だけはとっているのに」
「ん?」

夫の手に自らの両手を添え。

「こうして、抱き締めて撫でてくれる人が、今はちゃんと自分にもいるのに」
「?」

孤独が友達だった自分は、もうどこにもいないではないか。

「俺が貴様を抱き締めて撫でる? 何を今更・・・当然のことを??」
「ふふ、ありがとうございますね、レオン」
「だから何故そこで礼を言う」

頬を少し染めて夫が顔を逸らす。その先には市民公園の噴水。

「この暑さだし貴方も飛び込みたいのではなくて?」

水遊びの好きな夫をからかうようにくすくす笑う。
無論、公園での水浴びは気持ちいいだろうが、泳ぐこと自体が好きなアッシュには、
この噴水では遊ぶというには少し狭すぎるだろう。

その会話を聞いてカルラは振り向きもせずぼそりと、
「水場ナラ家にモある、デス」と継げた。

そして。

公園から遠くない場所に建てられた、その白亜の大きな屋敷は・・・。

「これは・・・また・・・。
うちのお屋敷もなかなかだとは思っていましたが・・・」

確かに、プールの一つや二つはありそうな、豪邸であった。
まだ随分と新しいようで、壁に塗られている塗料も一つとして、剥がれていないし汚れていない。
伽藺が絶句していると何人かの使用人が出て来て、恭しく挨拶をしては建物の奥へと案内する。
その様子を見てカルラが言った。

「カリンは、ミオボえナクて、トウゼン。
ウチがこんなに大きくなっタのは、カルラが生まレテカラだと聞く。
昔は世話役のばあやトその息子夫婦がいタダけで、家モ少しオオキメのテント程度だったラシイ、
・・・デス」

伽藺がまだ幼い時代、この土地で暮らしていた頃は。
残念ながら伽藺にはその頃の記憶はもう、欠片も残ってはいないのだが・・・。


世話役のばあやとやらが誰かはすぐに分かった。
使用人の一団の中から、ひときわ声と体の大きな老婆がやって来て、涙ながらの感動の再会となったからだ。
まず老婆は双子を鮮やかな手つきでひったくり、感無量とばかりにその柔らかな頬に、
自身の濃い色の肌を擦り付けた。

「まぁまぁまぁこのお方たちが新しい、お坊ちゃまとお嬢ちゃまでございますね!
なんと賢そうで愛くるしいお顔でしょう!!」

巨体の老婆の頬擦りにアルクは怯えたような迷惑顔を見せ、
リンネは『賢そうで愛くるしい』という言葉に反応したのかまんざらでもない顔をしていた。

「・・・む、ぬ」

乱暴に子供を抱き締める老婆を、アッシュは一括しようと口を開いたが、
すぐに次の老婆の行動を目で追い、一瞬にして黙り込む。
その視線の先にいたのはまぎれもなく、息を呑むような絶世の美女であったから。

「サリア、ちょっと坊ちゃまたちをお持ちなさい、落としては駄目よ、泣かせても駄目」

老婆に双子を押し付けられた美女は、慌ててその小さな体を受け取ると、困り顔で揺すってあやし始めた。
濃い色の肌はアッシュの好みではないが、それを補って余りあるだけの容姿と、グラマラスな肢体の女だった。
ただしその手足は折れそうに細く、赤子とはいえ二人もの子供を抱えると、不安定なことこの上無かった。

しかし老婆はそんなことは意にも介さず今度は伽藺にしがみついた。

「若さま、若さまですね! まぁまぁ顔をお見せ下さいまし!!
倭人どもにすぐにかっさらわれてしまいましたけど、若さまが生まれた時は私が取り上げたのですよ!?」
「ふえええええっ!?」

感動にうち震える老婆の勢いに伽藺は後ずさるが、全力のハグを受けてしまい背骨をぼきぼきと鳴らす。
伽藺も彼女のことを覚えているのなら、ここで互いに懐かしさを分かち合ったのだろうが、
さすがに離れた当時まだ幼児であった伽藺にこの乳母の記憶は無かった。

「はっさすがに私のことは忘れてしまいましたわね!」

困り顔に気付き、老婆は慌てて体を離して、一礼する。

「お久しゅうございます、カテリーン様の乳母を努め、その後若様の妹御たちのお世話を仰せつかって参りました、サーシャでございます。
こちらは孫のサリア。お世話係を志しておりますが、まだまだ未熟者でございます」
「あ・・・、は、はぁ・・・」

サリアと呼ばれた女も紹介され、小さな声で「どうも・・・」と呟き、小さく頭を下げた。
口から生まれて来たようなサーシャと違い、内気で無口なタイプのようだ。
見た目も、巨体のサーシャに比べサリアは線が細く、現時点では肌の色以外に似ている部分は、欠片もないように見えた。


「お孫さん・・・ですかぁ・・・」
「えぇ。さぁサリア、もっとしっかり、きちんと挨拶おし!!
まったくあんたは、私の若い頃にそっくりなくせに、こういうところは全く正反対なんだから」
「ええっ;」

どう返していいかわからず伽藺がまごまごしていると、改めてサリアが蚊の鳴くような声で挨拶をした。
そのまますぐに黙ってしまい、黒に近いほどの濃い褐色の肌でもわかるくらい、頬を真っ赤に染めて俯いてしまった。

「あ・・・ひょっとして、あがり症なのですか? ならどうぞご無理をなさらず」
「は、はい・・・」
「本当に情けない子で申し訳ありません。ですが、働き者であることは間違いないですし、愛情深い性格ですから。
私にはこのお家の幼い坊ちゃまのお世話がありますので、よろしければこのサリアを伽藺若さまのところの、
お坊ちゃまとお嬢ちゃまのお付きにさせたいと思っております」
「ほう」

背後から口を挟んで来たのは、サリアを眺めていたアッシュだった。
その容姿の美しさにしばらく目を奪われた後、子供の抱き方やあやし方を観察していたらしい。
特に機嫌も損ねていないということは、その手際が決して悪くは無かったのだろう。

「・・・頼んだ。
かりんに似て、利発な子らだ。粗相をしたら遠慮なく叱っていい。
美女に育てられれば、目も肥えるだろう」

はっきりと美女と言われ、さらに肩を小さく竦めて、縮こまってしまった。
それでも両手に抱えた子供たちは、しっかりと落とさないように、持ち上げていたのだが。
伽藺の半分の太さくらいしか無さそうな腕で、それでもまだ何とか安定した姿勢を保てているので、
言葉に偽りはなく真面目に世話係を志しているのだろう。

「ええと・・・確か若さまの、ええと、だ・・・旦那様?」

サーシャにも一応、関係については軽く伝えられているようだが、いまいち良く掴めていないらしい。
男同士の夫婦に何故子供がいるのかも、サーシャの知識量ではいまいち想像がつかないが、
そこはそれ使用人として主人の事情には、あまり深入りしないようにしているようだ。
「お子様たちのお世話は、このサーシャとサリアが引き受けますからご心配なく!
安心して新天地を探す旅に出て来て下さいな。若様をどうぞよろしくお願い致します!!」

どうやらそういう形で説明を受けているようだ。
まさか死出の旅になるとは、カテリーンは話していないらしい。
エキセントリックな性格をしていそうなサーシャが騒ぎ出さないようにとの配慮なのだろう。

アッシュは「あぁ」と軽く一言だけを返すと、さらに何事かを喚き立てる老婆から、すっと視線を逸らした。
他人に賑やかに騒がれるのは耳障りであまり好きではない。
確かに子育てをする上でこの老婆の明るさは一財産なのかも知れない。
しかし子供にもそこそこの朗らかさならいいが、あまり騒がしくは育って欲しくないアッシュとしては、
直接の世話役が彼女でなく物静かな孫娘であることに、胸を撫で降ろさざるを得ないのであった。

「それでは今、シェフが腕を奮っておりますから、もうしばらくお待ち下さいな。
そうだ、お風呂を沸かしておりますから今のうちに、砂埃でも落として来てはいかがです?」

言われてみてそういえば、肌がざらざらしていることに、気付く。
汗のせいもあるが、それは熱気によって随分と早く蒸発したようで、べたべたとした不快感は無かった。
ただ砂漠地帯だからか風に砂が混ざっているようで、それが乾いた汗で衣服や肌に貼り付いてしまうらしい。

「・・・では、お言葉に甘えましょうか」

伽藺は無類の風呂好きである。
アッシュは元々は風呂よりシャワー派で、漬かるなら湯よりは水の方が好きだったようなのだが、
妻に付き合っているうちにゆったり湯に漬かることも嫌いではなくなった。
子供たちも湯浴みをするらしい。
今日は世話と子守りの練習も兼ねて、サリアが沐浴をさせてみるという。

なので、伽藺とアッシュはゆっくりと時間を忘れて、水いらずの入浴を楽しむことにした。


清潔な匂いのする部屋着を渡され、まるで公衆浴場かと思うほどの、大理石造りの広い風呂場に案内される。
壁一面に水槽があしらわれ、色とりどりの珍しい熱帯魚が、放されていた。

「・・・・・・;
な・・・なんというか、いろんな意味ですごいというか。
南国・・・のセンス・・・、・・・なのかしら?」

浴槽の角に据えられた、ライオンと人魚の合いの子のような彫像が、口から湯を吐き出す音が響く。

「ふん、気に入らんか?
俺はなかなか悪くない趣味だと思うが」
「ははは、そう・・・ですか」

風呂といえば、岩造りか檜造りというイメージを持つ伽藺にとって、白い大理石の風呂はまるで、
プールで入浴しているような気がして落ち着かない。
しばし呆然と見ていたが、夫の顔を見上げると、何か少し諦めたように微笑う。

「は・・・、入りましょうか、お風呂・・・;;」
「あぁ」

アッシュはもう既に服を脱いでいたらしく、筋肉の盛り上がった逞しい肩に軽く湯を掛けては、
ざぶんと大きな音を立てて浴槽に沈み込んだ。

「うむ、悪くない湯加減だ」
「そ、そうですか? なら私も・・・」

伽藺も大慌てで服を脱ぎ、脱衣籠に自分と夫の衣服をどちらも畳んで乗せ、
髪を頭頂でまとめるとタオルを持って後を追った。

「急ぐな、滑って転ぶぞ」
「こ、転びませんっ!」

そう言いながら掛け湯をし、体を洗うべきかどうか少し迷ったものの、
夫が漬かっていたので先に湯船を使うことにした。

「・・・ふあぁ。少しぬるめにしてある辺りが、またほ~っとしますねぇ」

言いながら深く息をついて、夫の胸板に身を預けた。

「しかし・・・想像より、栄えた家柄のようだ」

浴場をぐるりと仰ぎ見てアッシュが静かに呟いた。
確かにこのような浴場など、壁の水槽の維持だけでも随分と手間がかかるのだろうに、
それを別宅に作ってしまうというのだから、気前がいいというか何というか。
本宅に至ってはどのようなインテリアになっているのか。

「これなら、野生的な意味では逞しくは育たんだろうが、野垂れ死ぬこともないだろう。
このまま穏便に事が運べば、無事・・・安心できる」

子らの行く先や妻の心境に想いを馳せながら、天井を仰いだ瞳を静かに閉じた夫を見上げ、
伽藺がおずおずと言葉を紡ぐ。

「気になるのは、そこなんです」
「・・・ん?」
「想像よりも栄え過ぎている。
そしてこの家もですが、街がとても・・・綺麗・・・」

建物も、公園も。この街にあるものはみんな、あまりにも綺麗に過ぎるのだ。

「きっとまだ造られて、10年も経ってもいないのでしょう。
カルラ様もそのような事を言っていた気がしますし。
それが何を意味するのか、違和感を持つべきなのか、神経質になりすぎなのか。
まだ私にはわかりませんけど・・・」

小さく俯き、自分でも理由のわからない、違和感の正体を探る。

「母上についてもそう、再会を心から喜んで下さっている。
それは、私にもわかるんです、でも・・・。
 ・・・何なのかな。何かがしっくり来ないんです」
「しっくり来ない? ふむ??
よく分からんが肉親だからこそ、感じる違和感があるのだろうか」

夫の誰何にもすぐには答えることが出来なかった。
何故、不安感が募るのか。何故素直にスムーズな旅路を、喜ぶことが出来ないのか。
自分でも理解が出来なかったから。

「そうですね、肉親だからこそなのかも。
たった10年もかからずに築かれた街、たった10年もかからずに積み上げられた富。
大都会の財閥や会社なら、そんなサクセスストーリーも有るかもしれませんが、
ここは次元の狭間・・・しかも砂漠地帯。つい最近まで閉鎖されていた世界。
外との関わりはあれど決して、人の多い土地ではありません」

であるにもにも関わらず、この栄えっぷり。
そして病に倒れ臥した、その崇拝対象たる母。
何かが隠されている気がする。
そんな中、呑気に子供などを預けてしまって、いいものかどうか。

「あは・・・。
上手く行き過ぎると不安になる癖、改めた方がいいですよね。
なんだろう、強いて言うなら、上手く行き過ぎる?
20年の歳月があまりにも、簡単に埋まり過ぎている気が、するんです」

えへへ、何かおかしいこと言ってますよね、と。
夫が肩に置いた手に、自らの手を重ねる。

「ううむ。貴様が幻術師であるからこそ、感じる矛盾点でもあるのだろうか?
俺もまやかしなどにかかるつもりはないが、観察眼や感受性に関しては貴様が豊かだ。
何か気になることがあったら報告しろ」
「・・・ん、そうです、ね。何か・・・、また違和感があったら、その時に・・・」

伽藺は、正体のわからない不安感を追い出すかのように、夫にしがみついて深くキスをした。
女性の体の時とは、微妙に感触の違う滑らかな舌が、アッシュの口腔内で遊ぶ。
抱き合って絡み合い、白い大理石の浴槽の中で、舌同士を絡ませていると。

ガラッと大きく響く音がして。
勢い良く、浴場の扉が開かれた。

「おぉーっ! カリンとアッシュは風呂カ!!
カルタも入るゾ、砂で全身ガ、パサパサだー!!!
・・・・・・う?」

ぴったりと身を寄せ合った夫婦が無言で、呆気に取られた顔で見つめているのを。
良く締まった手足を広げ、腰にタオルを巻きつけただけの姿の少女は、首を傾げて見ていた。
それからすぐに「いけませんっお嬢様!!」という女使用人たちの声が聞こえ、
彼女はずりずりと引っ張られ、多勢に無勢で抵抗むなしく、遠ざかっていったようだ。

「なんでダー!? カルタのオニチャンだぞ! 一緒におフロしてもイイはず・・・!!」
「いけませんっカリン様もアッシュ様も男性です!
さぁこちらに・・・」
「エエェエエエエエェェ!? だっテ、ジュノーとは一緒に、おフロ入るぞカルタ!!」
「ジュノーお坊ちゃまは、まだ幼うございますっ、さあこちらに!」
「いやあああああァァあァ!!!」

そのままフェードアウトしてゆく声。
そして女使用人の一人がひょこりと戻って来て、深々と頭を下げた後に恭しく扉を閉めた。

「・・・・・・」
「・・・なんだなんだ、随分騒がしい家だ」
「はは、そう・・・ですね。・・・さすがに14歳の妹と裸のお付き合いは、問題ありますよねぇ;」

湯煙の向こうに見た肢体は同年代くらいの少年とたいして変わらなかったか、
むしろことさらに筋肉が付いて逞しいような気もしたのだが。
多分そういう問題でもないのだろう。

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自己紹介
HN:
伽藺(カリン)・クイン
性別:
女性
職業:
アッシュ医師の妻/ナハリ軍務補佐官
趣味:
家事、お茶、お喋り
自己紹介:
医師アッシュ・クインの妻である柳の樹妖。
外見年齢は20歳ほど、実年齢は20代後半。
夫との間に男女の双子あり。

性格はおっとり。
行動は良く言えば優雅、悪く言えばどんくさい。
少し急ぐとすぐ転ぶ。
ネバーランド・ナハリ国の軍務省にも補佐官として所属している。

ユエルティートという名の少女を、小鳥と思い込んでペットとして飼っていたことがあり、
人の姿を現した今でも、娘代わりとして可愛がっている。
義兄にはウィルフェア氏とティーラ氏。氏の家族や同居人諸氏とも懇意で、何かとお世話になっている。

お茶が大好きでお茶菓子も好き。
甘党で大食漢。カロリーコントロールを言い渡されるレベル。
来客
[07/10 威紺]
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