過日、思ったより仕事が早く終わって、未だ明るいうちに帰宅しますと。
ヒキコモリ一名（は）以外、誰もいないはずの家の廊下で、
誰かとぶつかってしまったのです・・・！

ドクターとは明らかに違うその小さな体躯。
彼は僕のことを知っていたようで、無邪気な様子で話し掛けて来ました。

どうやら。
彼が、この数日の話題に登っていた、ドクターのご友人で（ご学友だそうです）。
少々癖はあるようながら、悪い方ではなさそうでしたので、
僕もお屋敷の中を、案内させていただくことに、したのです。

まずはテラスに案内し、形を造りかけている庭園を見ながら、
いろいろなお話を聞きました。
ドクターの学生時代のこと、変わった部分に変わらない部分。
ときたまからかっているような、何かを聞き出そうとされてるような、
奇妙な感覚を感じて、戸惑ったりもしましたが。
沢山のお話を聞きました。

ミハイル殿自身のことも少し。
小柄なのは、ドワーフ系の血が入っているから、だそうで。
何のご病気なのかは、分かりませんでしたが、深く被った帽子と、
伸ばした前髪から覗く肌が、少し爛れていたようでした。
・・・ご快癒をお祈り申し上げますが。

あと。
エルフ語はそうたいして、難しくないのだそうで。
発音は独特なようですけれど、綴る程度ならば少々の勉強で、
覚えられるとか・・・。
少し学んでみましょうか、と・・・思いましたね。

このお屋敷にある、共通語（コモン・ワード）の本は、もう大体、
読んでしまいましたしねぇ。
（↑速読体質）

あとは・・・うん、えらく地下室にご興味が、あられたようで・・・。
あ、あんなところ別に見ても何にも、面白くないと思いますのに。
といいますか、えらくプライベートなことを、質問して来られたり。
・・・カマを掛けて来られましたり；

い・・・、いいんですけどね・・・///
一瞬、ドクターがそんなことまで、人に話しているのかなんて、
疑ってしまったりしました。
・・・いやまぁ、もし聞かれたら隠し立てしたりとか、しなさそうだなぁ。

人に言っていいことと、言わない方がいいことは、ちゃんと考えて下さって、
いれば宜しいのですが・・・。

ま、まぁ（わたた）。
珍しいお話が聞けて楽しかったのです。
少々ハラハラもしましたが、うん・・・、ドクターから何の沙汰もないと、
いうことは。
だ、大丈夫なんだよね。問題なかったよね。

少し変わった方でしたけれど、とても楽しいご学友でした。
また遊びに来て下さるといいですね、そしたら次は出来合いのお饅頭ではなく、
ちゃんと、丁寧に作ったお菓子を、ご用意するのに・・・。

あと・・・。

ドクターの本名も、簡単な背景も、お聞きしましたが。
きっとこれは、ご本人が自ずから教えてくださるまでは、知らないことに、
しておいた方がいいのでしょうね。
けれど・・・『知る』ということは、何だか少しだけでも近付けたようで、
嬉しいものですね・・・。

いつか、お名前で呼ぶことを許して下さる日は、来るのでしょうか・・・ね？